關渡宮は時間・空間・環境の変遷を経て、現在の姿へと変化してきました。關渡宮には主体となる三川殿、拝殿、正殿、凌霄宝殿に加えて、山門、天壇、廟前広場、金炉、延平郡王三将軍廟、鐘楼・鼓楼、功徳堂、菊寿閣、噴水池広場、廣渡寺、薬師仏祖殿、古仏殿、財神洞、懐英亭や霊山公園、展望台といった建造物と施設があります。また、近年増築されたものには事務室や付属図書館、トイレ等があります。空間利用の性質から分類すると、大まかに「祭祀空間」「事務空間」「サービス提供空間」「展示空間」「公共空間」の五種類に分けることができます。

  決まった祭祀路線からは、三川殿中門前の天公炉、關渡宮の主要建築物となる媽祖聖殿、左の観音仏祖殿、右の文昌帝君殿、更に右脇にある延平郡王三将軍殿、後方の財神洞の財神爺と土地公が、主要な祭祀空間であることがうかがえます。副次的な祭祀空間には、功徳堂・廣渡寺・薬師仏殿・古仏洞・凌霄宝殿があり、それぞれの場所で独立して参拝が済むようになっています。

  公共空間には廟前広場、噴水池広場、展望台等が含まれます。敷地への出入口は主要な建築物の左前に位置し、主として知行路から關渡宮エリアに入る通路と、大度路三段から入る通路に分けられます。また、徒歩か車両によって、下方の知行路から階段を登る歩行通路と、斜面を登る車両用通路に分かれます。他にも、關渡宮外周の知行路沿いには、渡し船の出入口付近に財神洞の出入口があり、そこから關渡宮に入ることもできます。

  数回の修復工事や増築を繰り返し、現在の關渡宮は「五門三殿式・護室なし」の建築様式をとり、縦長の空間に三川殿・正殿・凌霄宝殿の主要な建築物があります。正殿と凌霄宝殿の間は拝殿を通じて行き来できますが、隔たりになっている部分は吹き抜け構造で袋小路になっているため、椅子等を置いて休憩場所として利用しています。全体的には中心軸(分金線)から左右対称になるように設計され、伝統建築に見られる主従関係を表現しています。